レッスンを受講するときのコツ

以前、レッスン受講や学習のコツのようなものをテキストにして
レッスン生に配っていたのですが
レッスン生以外の方にもシェアした方が
私のレッスンのやり方、在り方の参考になると思いましたので
このコラムで加筆修正して公開させていただきます。

これらは実際に私が師匠や過去に習った先生に習っていた頃に実践していた方法です。
レッスン生や私のレッスンに興味のある方だけではなく
他でレッスンを受講されている方や独学でがんばっている方にも
学習や勉強のヒントや参考になるところがあるはずですのでご一読いただければ幸いです。

・レッスンでは100%の理解を目指す必要はない

正直一回のレッスンで全てを理解できるのは一部の天才だけです。
だいたい60%くらいはわかるかな、くらいのレベルでも充分です。
宿題をこなしたり、レッスンを重ねるごとに少しずつ理解度のレベルが高まります。
むしろ完璧を求めるがために同じ場所に留まり続ける方が危険です。

特に作曲をやる人はいい意味でも悪い意味でも完璧主義な傾向にありますが
無駄な完璧主義は上達の妨げにもなりますので要注意です。

1ヶ月後に2倍を目指すよりも、
半年後に6倍になっていればいいくらいの長期的なスパンで考えてみてください。

・脳と耳を同時に使う

音楽理論を覚えると音を出さなくても譜面上だけで音楽が作れるようになります。
しかし宿題や課題、理論書を読むときなどは机上だけではなく、
同時に必ず演奏、もしくは打ち込むなどして耳で音を確認するようにしてください。
で、ないと理屈、感性の両面がつながりません。

当然実際の制作で活かすのも難しくなります。
単にテンプレート、ノウハウを覚えるだけになってしまいますので
面倒くさがらずに実際に耳で音を確認するようにしてください。

音を出したり、紙に書く面倒なひと手間、
そのひと手間の積み重ねが将来的に大きな差となって現れます。

余裕があるようなら+αで自分なりに何かエクササイズを作ってみるのもいいトレーニングになります。
あとは学んだことを復習も兼ねてブログに書いてみる、
周りの音楽仲間に教えてみるというのもおすすめです。

余談ですが人に教えることが同時に自分の学びにもなるから、
というのが私が講師の仕事をしている理由の一つにあります。

自分が学んだことで人の助けにもなるのと同時に自分も成長出来てさらにお金も頂ける。
こんな素晴らしい仕事は他にないと思ってます。
これから先どんなに忙しくなっても講師の仕事はずっと続けていきたいです。

・情報だけでは意味がない

ただレッスンに通っているだけでは
いい情報やノウハウが聞けただけで終わってしまいます。
情報を自分の中で血肉化された確かな知識とするためには実践の機会が必ず必要です。
ですので私のレッスンでは実践の機会ということで
必ず毎回のレッスンの度に宿題を出しています。

極論、ただ情報を知りたいだけなら教則本や理論書を読むだけでも充分です。
今ならネットで検索するだけでもかなりの情報を仕入れることだって可能です。

でもそれだけではなぜ不十分なのかというと
上記にもあるようただ読んでいるだけ、情報を仕入れているだけでは、
ちゃんとした実践を伴わないからです。
これでは教則本ジプシー、理論書難民が後を絶たないのもある意味当然ですね。

レッスンはただ情報やノウハウをインプットするだけではなく
アウトプットの実践の機会でもあるということです。
ここが独学や自己流ではなかなか持ちにくい人に習うことのメリットの一つでもあります。

・宿題や課題では名曲を作る必要はない

陥りがちな罠が宿題や課題で良い曲を作ろうとすることです。
決して悪いことではないのですが、
名曲でありつつ、さらにレッスンで習ったテクニックを使おうとすると
二つの作業を楽曲のなかに同時に盛り込む必要があるので非常に大変な作業です。

それよりはひとまず良い曲はどうか、
自分らしい曲かどうかは置いておいて
レッスンで習ったテクニックを実際に使う事だけに集中するのを
特にレッスンの初期の段階ではおすすめしています。

極論、取り組んでいる宿題に例題をパクっても問題ありません。
もちろんそのままでは意味はありませんが
完璧を求めるがあまり上達を妨げてしまっては意味がありません。
レッスンは芸術や仕事の場ではなくあくまでトレーニングの場だからです。

私のレッスンでも音楽的に美しいものはレッスンの後半で追求します。
最初のうちはアートよりも実験くらいの割り切った気持ちでいた方がちょうどいいです。

・最もおすすめな復習法

私のレッスンでは毎回音声を録音します。
色んなところで書いていますが私自身がレッスンを習っていた頃は
レッスンの音声を移動中や空き時間に繰り返し何度も聴くことでした。
今でも師匠に習っていた当時の音声を復習や確認も兼ねて聴くこともあるくらいです。

耳からの学びは個人的に目よりも深いと思っています。
聴きながらメモをとるもの効果的です。
ですがそれほど構えずに移動中に聴くだけでも
充分効果がありますので是非実践してみてください。

・質問してみる

レッスンを受講している最中や
宿題や課題に取り組んでいるときに疑問に思うことも当然あるかと思います。
もちろん講師のことを困ったらドラえもんのように道具を出してくれるような便利な存在として
依存するような形は健全ではありませんが
(少なくとも私のレッスンはのび太くんのためのレッスンではないです)
一人で抱え込んだまま、次のレッスンに向かうのもまた不健全です。

ですので一人で考えたり、調べたけど、
それでもわからないという箇所があったり
レッスン中にふと疑問がわいたら講師が話している途中でも質問するべきです。
わからないけど今先生が話しているから後で聞いてみよう、
では何が疑問だったか忘れてしまうからです。
仮に質問していちいち機嫌が悪くなるようなら
どんなに有名人でもどんなに実績があっても
その講師は少なくともいい講師ではないと私は考えています。

時間外でも可能であるのなら電話やメールなどで質問するのもありだと思います。
私も対面じゃないと返答が難しい内容でない限りは極力電話やメールでの質問に答えています。

・自分の音楽ではやりきる

上の方で100%や完璧を求めないと書きましたが
それではあくまでレッスンの話です。
自身の作品や音楽活動では思う存分やりきってください。

たまに生徒さんのプライベートの作品を聴かせてもらう事がありますが
レッスンでの課題や習作と力の入れ具合が
たいして変わらないのではないかと感じる事が少なくありません。

レッスンと実際の現場は違います。
レッスンはあくまでもトレーニングの場ですが
現場はプロだろうがアマだろうが
強者のみが賞賛され、弱者はクソ扱いされる厳しい世界です。

今の時代プロとアマの差は肩書きと収入の有無くらいしかありませんし
実際に自身の作品を簡単に発信可能な世の中になったのは素晴らしい事です。

しかし同時にそれは表に出る以上は
仮にアマチュアでもプロと同じくらいの
クオリティとこだわりを目指す気合や気概が必要とされる、
という事を意味します。

例えばYoutubeなどで作品を公開するとして
「お金とるわけじゃないしこのくらいでも大目に見てくれるだろう」
「音楽歴や年齢のわりには中々いい感じだと思う」
「DAWの付属音源のみで作ったわりには悪くない」
といった甘えはリスナーには一切通用しないと思っていいでしょう。

むしろ
「無料なのにこんな素晴らしい作品を聴けるなんて!」
「お金を払う窓口はどこですか?」
とサプライズを感じてもらえるくらいでないと
仮に無料でも聴いてもらえないのが現状です。

手前味噌で非常に恐縮ですが
私の使える音楽理論の動画が多くの方に観ていただけたのは
無料とは思えないくらいの濃さを出し惜しみしなかった事にあると思います。

レッスンでは多少力を抜いてもかまいませんので
その分のエネルギーは是非自身の作品や音楽活動にまわしてください。
レッスンでは完璧を目指す必要はありませんが
自分の音楽ではむしろやりすぎ、くらいでちょうどいいと思います。

いかがでしたか?
私の文章にしては短めですが(笑)
もし少しでも参考やヒントになるところがありましたら非常に幸いです。
私も久々にこのテキストを読んでみて改めて自分のやり方、在り方の確認が出来てよかったです。
他にも何かあれば随時追加していくことにします。