おすすめのプラグインレビュー

前回DAWミックスのド・基本を書きましたがその続きです。
個人的におすすめのプラグインを紹介しています。

DAWにも最初からある程度のプラグインが付属していますが
正直オマケの域を出ていないので
(それでも10年前と比べたら雲泥の差ですが)
もし音にこだわるのであればサードパーティ製のプラグインを購入する必要があります。

ここではその中でも自分が「本当に使える」「ないと困る」と判断したものだけを紹介します。
ですのでもしかしたら巷の基準よりもちょっと偏ってるかもしれません。
UAD-2率が妙に高かったり、業界定番のWavesがなかったりね(笑)。

巷には色んなプラグインがありますが正直使えるのはごくごく一部です。
これまで無駄なプラグインを含めてたくさんの投資をしてきました。
金額的に数えるのが嫌になるくらいです(笑)。
ですので使えるかどうかの審美眼にはちょっと自信ありますので
導入の参考になれば幸いです。

vintagewarmer_2-original
PSP Vintage Warmer
これはヤバいです。
もうマスターからトラックまでなんでも使えます。
正直これがないと自分の音が作れないってくらい愛用しているプラグインです。
プラグイン界の「味覇」といってもいいのではないでしょうか。
それだけ使えるプラグインです。

コンプレッション具合もとても自然なので録りの音さえちゃんとしてれば
ヴォーカルやベースもこれのDriveとKneeと少しいじるだけで一気に完成品の音に近づきます。

特にマスターでほぼ必ず使っている設定があって
Driveが-8から-9、Kneeを72くらいにすると
気持ちが良い、太くて、なおかつバランスの良い音にまとまります。
ちなみにこの設定は「マスタリングの全知識」という本で書いてあった設定ですが
超使えるので自分も使わせてもらってます。

簡易的なマスタリングならその設定にちょっとマキシマイザーを加えればOKだと思います。

ちなみに個人的にコンプはあからさまなコンプサウンドが欲しいとき以外はあまり使いません。
理由はコンプくさくなるから(笑)。
それにVintage Wammerに限らずですがテープや真空管をシミュレートした
アナログ系のエフェクトの方が自然に音が潰れるのでコンプよりも手が伸びます。

ちなみにコンプを使う際も前段に
アナログ系のプラグインをインサートした方が
自然にコンプレッションされますので是非試してみてください。

valve
Duy DaD Valve
これもよく使いますね。
これは真空管をシミュレートしたプラグインで
各ソースごとにベストなセッティングがしてあるので
ギターならギター、ドラムならドラムを選ぶだけの超シンプルなプラグインです。
特にキックとかスネアなどドラムの各キットにはだいたいインサートしてると思います。
Vintege Warmerほど太くはしたくないんだけどあともう一息!みたいなときに重宝しますね。

例えばギターソロにだけにインサートしてフェーダーを上げることなく、
他のギタートラックと差別化するとかね。
これをかけるだけで良い意味で調理済みの音になります。

ここのメーカーは日本ではちょっとマニアックですが(今は代理店がないので)
どのプラグインも高品位でアナログ感があって好きです。

EQ-Lge
Sonnox Oxford EQ
おそらく一番使用数の多いプラグインです。
基本的にこのプラグインが自分のデフォルトEQです。
良い意味で色が全くないので引き算したいときにはぴったりです。
なのでブーストではなくカットに使います。

他のEQだとカットしたときに
減ってほしくないところまで減ったようなサウンドになりがちですが、
Oxford EQにはそれがないのがいいですね。
イメージ的には痩せるけど胸は減らない的な感じです(笑)。

動作も軽いですし良い事尽くめです。
他のプラグインもクオリティの高いものが多く(特にリミッターがスゴい)、
デジタルの恩恵を存分に使いこなしているメーカーです。

若干バンドル品は高いですが最近はよくセールもしてるので
そのタイミングで買うといいと思いますが
かなり古いプラグインなので今買うのなら
下にあるFabFilterの方がいいかなと思います。

screenshot_pro-q_full@2x
FabFilter Pro-Q2
ここ最近のプラグインで個人的に一番ビックリしたプラグインです。
デジタル系のEQなのでブーストしてビンテージやアナログ的なキャラをつける、
といった用途には向いていませんが引き算系のEQの中で一番使い勝手がいいと思います。

通常のシェルビングはもちろんのこと、
ローカットやハイカットも96dbまでバッサリカット可能、
さらにEQのモードもリニアフェイズから流行りのM/Sまで可能、
デジタル系のEQの機能で出来ないことはほぼないと言い切ってもいいくらいです。

個人的には今いじってる周波数をソロで聴ける機能がありがたいですね。
あとはスペクトラムアナライザーもついているのも嬉しいです。
ここ最近リリースされたプラグインの中でも
ダントツにクリエイターやエンジニアに評判がいいのも納得というか。

個人的にも長らく引き算系のEQのスタメンはSonnoxでしたが
だんだんとFabfilterになりつつあります。
テクノロジーの進化は恐ろしいですね。
このような下克上が普通にあります。

ですので先ほども書きましたが今引き算系のEQを買うのなら
SonnoxよりもFabFilterがおすすめです。

デモ版もあるはずですので是非試してみてください。

neve_1073_hq
UAD Neve 1073
UAD-2のプラグインです。
ベースとドラムにはほぼ必ずこれを使っています。

初めて使ったときは衝撃でした。
ちょっとつまみをいじっただけで一気に音の値段がはね上がる。
GLAYの曲ではないですがmore than EQです。
初めて使った頃はプロってこういうの使ってるんだ、卑怯すぎる…と思いました(笑)。

なんか音に芯がでるというか、位相がかっちり合う感じがするんですよね。
プラグインのEQってあるラインを超えると飽和して音が引っ込んでしまうものが多いですが、
このEQにはそれがないのがスゴいです。
良い意味で音にスピード感が出るし、とにかく音が太くなります。
だけどデブではなくて筋肉質になるというのがポイントですね。
他社でもNeve系のプラグインは多くありますがおそらくこれを超えるものはないはずです。
あったら教えてください(笑)。

最近これの新しいヴァージョンがリリースされましたがまだ試していません。
きっと音は良いんでしょうけども
メーカーのページでスペックを見る限りかなり重そうなので
UAD-2のカードを追加したら購入してみようと思います。

pultec_pro_hq
UAD Pultec-Pro
これもNeveと同じくUAD2のEQでよく使いますがリズム関係だけでなく
ヴォーカルやギターなどウワモノにも使っています。
低音もいいですが高域をブーストしたときの音がとても好きで。
特にギターをバスでまとめて8kHzあたりをブーストなんてよくやりますね。

ヴォーカルも高域をブーストすると滑舌がはっきりして
空間のかかり具合もいい感じに強調されます。
ちなみにこれはインサートするだけでもなぜか良い音になる卑怯なEQです(笑)。
Neveと同じくmore than EQ系ですね。

ブーストだけでなくカットも自然にかかるので昔からよく使っています。
こんなサウンドを聴くとプラグインでこれだけ音がいいんだから
本物はどうなんだろうって思ってしまいますね。

ちなみにこちらも新しいヴァージョンである
Pultec Passive EQ Plug-In Collectionがリリースされましたが
さらにパワーアップしています。
これからも愛用するのは間違いなしです。

la_2a_collection_hq
UAD The LA-2A Classic Leveler Plug-In Collection
一応UAD-2にはLA-2Aのプラグインがデフォルトで付属されていますが
正直音質は今の時代的にはそれほどのものではなかったりします。

他社からもLA-2A系のプラグインは多くリリースされていますし
正直WavesのLA-2Aのプラグインの音を聴いたときは
「あ、UAD超えてるかも」と素直に思いました。

でもそこはさすが本家のUniversal Audio。
LA-2Aの新しいヴァージョンである
The LA-2A Classic Leveler Plug-In Collectionで
一気に他社を引き離してしまいました。

これまでデフォルトで付属されていたLA-2Aは
「レガシーヴァージョン」ということで
新しいヴァージョンにはなんと3モデルのLA-2Aが用意されています。

どれも音質的には
「レガシーヴァージョンとは一体何だったのか?」
と思うくらい素晴らしいクオリティです。
(その分重くなっていますけどね)

操作はGAINとPEAK REDUCTIONをいじるだけ。
普通のコンプでいうところのレシオはCOMPとLIMITの2種類のみで
アタックやリリースはコントロールできませんが
逆にいい意味の割り切りが出来るし
ヴォーカルからベース、キック、アコースティックギター、キーボードまで
案外何にでも使えるので重宝しています。

emt_140_hq
UAD EMT 140
これもUAD-2のプラグインです。
リバーブは必ずこれを使ってます。
今まで作った曲でこれを使ってない曲はないってくらい。
他のリバーブを使うときはキャラクターが違うものが欲しいっていうときだけです。
個人的にリバーブってあまり好きになれないのですがこれは大好きです。
特にヴォーカルには最高に気持ち良くかかります。

なんかプラグインのリバーブって上品すぎるものが多いので
リアリティを求めるなら今ならサンプリングリバーブもありますが
リアルなだけであまり音楽的な感じがしないんですよね。
エンジニアによってはリバーブだけはプラグインは無理!って人がたまにいますが
その気持ちもちょっとわかるというか。
自分もこのリバーブ使うまでは結構リバーブ遍歴みたいのがありましたが、
これに出会ってからは他のリバーブに目移りしなくなりました。
良いリバーブを探しているという人には一度試してもらいたいです。

UAD-2はSonnoxと違ってデジタルではなく
アナログ感のあるプラグインばかりなのが特徴的で、
とてもデジタルとは思えないくらい気持ちの良い音がします。

プラグインなんてある程度のクオリティを超えれば
だいたい自分の求めてるサウンド作れると豪語している自分ですがUAD-2に関してはその限りではないです。
冗談抜きにUAD-2がなくなったら自分の音が作れなくなってしまうんじゃないかと不安になります。

ここまで書くとUAD-2のステマになってしまいそうですが(笑)
アウトボードを揃えるのはスペース的にも資金的にも無理だけど
アナログ感にこだわりたいという人には導入をおすすめします。
下手なアナログ機材買うよりもよっぽど良いと思います。

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Audio Damage DubStation
Audio Damageは良い意味でチープなプラグインが多くて好きなメーカーです(しかも安い)。
その名前の通りダブっぽい音が欲しいときは迷わずこれを使います。
プラグインは良くも悪くも高品位で高級感のあるサウンドのものが多いので
コンパクトエフェクターっぽい良い意味で
チープでエグイかかり方をするものは少ないのですが
こいつは見事なくらいコンパクトエフェクター的なかかり方がします。

フィードバック具合もぶっ飛んでいて、制御不能になるくらい(笑)。
細かい設定はできませんが良い意味でざっくりした感性で使えるので重宝しています。
コンパクトエフェクターと違ってテンポの同期もできますし
もう一味違うディレイが欲しい方にはおすすめのプラグインです。

ちなみに余談ですが昔、仕事したあるヴォーカリストはこのディレイが大好きで
ヴォーカルのディレイは必ずこれを使ってくれと指定があったくらいです(笑)。

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SoundToys Crystallizer
ここのメーカーのプラグインも面白いですね。
EventideのH3000を開発したメンバーが設立したメーカーでイメージ的にはエリートな変態(笑)。
空関系のプラグインで間違いなくトップに入るようなサウンドです。
昔はProToolsでしか使えなくてSoundToysを使いたいがために
ProToolsに乗り換えようと真剣に考えたくらいです。

バンドルされているどのプラグインもクオリティが高く、
空関系にこだわりのある人にはおすすめのメーカーですが
特にこのCrystallizerは他にマネできないオリジナリティのあるサウンドになります。

ディレイ成分のピッチを変えたり、ハモらせたり、スライスしたり、リバースさせたり。
とりあえず何かを変えたい、イレギュラーな要素が欲しいというときに手が伸びるプラグインの一つです。
破壊的な音だけでなくその名の通りキラキラしたクリスタルのような美しい音にもなります。
プリセットも優秀なので意外とすぐにイメージ通りの音にたどり着けます。

今試聴ページにあるGPKISMのピアノのループもこれを使って作りました。
原曲の素材とは全く別物のサウンドです。
おそらくその違いをbefore afterで聴いてみたらビックリするはずです。

いかがでしたでしょうか?
今回は自分にとってなくては困るプラグインを紹介しましたが
ここ数年リリースされたプラグインはクオリティが非常に高い物が多いので
またおすすめのプラグインが見つかりましたら随時このページに追加していくことにします。

ちなみにレッスンでもクリエイターのためのミックス&マスタリングという講座があります。
プラグインをもっと使いこなしたいという方はこちらへどうぞ。
https://kohtaro.com/wp/lesson/mixmaster/