ヴォーカリストのためのDAW特別インタビュー

ヴォーカリストのためのDAWサンプル動画で歌っていただいたMakiさんにインタビューをしてみました。
おそらくヴォーカリスト以外にも参考になるところがたくさんあると思いますので是非最後までご覧ください!

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プレイヤーからヴォーカリストに転向

kohtaro(以下K):まずは今日はお疲れさまでした。

Maki(以下M):お疲れさまでした!

K:今日はどうでした?レコーディングやってみて。

M:レコーディング自体がスゴい久しぶりなんですよ。
おそらく二年ぶりとかなので緊張して最初の方は力んでしまいましたが、
あとからリラックスして歌えるようになってよかったです(笑)。

K:なるほど。今回僕の方からヴォーカリストのためのDAWの講座のモニターとして
Makiさんにレコーディングをお願いさせてもらったんですけど
まずはMakiさんのプロフィール的な話からしましょうか。
Makiさんはシンガーソングライターってことでいいんですかね?

M:そうです。

K:元々は武蔵野音楽大学の器楽科で学ばれていたんでしたっけ?

M:はい。専門はフルートでした。

K:前々から疑問だったんですが音大まで行ってプレイヤーとしての勉強をしていたのに
なぜヴォーカリストに転向したんですか?

M:う〜ん、昔から音楽は仕事にしたいなっていうのは考えていたんですけど、
小さい頃から切り離せずに密接にあったのが歌だったんです。
変な話、歌手を志す前から自分がPVで歌っている妄想みたいのをよくしていたので(笑)、
もしかしたらそのときから自分は歌手になるんだっていうのはあったのかもしれないですけど、
やっぱり昔から密接にあった歌で自分の言葉やメッセージを
よりダイレクトに伝えたい欲求が強くなったのが一番大きいんだと思います。

K:なるほど。元々クラシック出身の人なのにロックなキャラクターが強いから
どのような経緯で今に至ったのか気になってたんですが謎が解けました。
Makiさんのヴォーカルってスゴくパワー感があって日本人にはあまりいないタイプですよね。

M:そうですか?

K:R&B系みたいにソウルフルなスタイルの人はわりといると思うんですけど、
ロックのガツン!とくるパワー感を表現出来る人って実はあまりいないと思っていて。

M:あ〜、そうなんですかね?

K:今回、鐘を鳴らしてを選曲したのもこの曲ならMakiさんの声をより活かせると思ったからなんですね。
結果的に原曲以上にロックになってMakiさんらしいカヴァーになったと思います。

M:ありがとうございます!
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歌の上手い人は難しいことをやらなくても良い音になる

K:普段ってDAWとかでレコーディングはしますか?

M:一応は持ってはいるんですよ。
オーディオインターフェイスとかもあるんですけど
楽器の音とかをちょっと録っているくらいでまだ歌は入れてはいないんです。

K:今日実際にDAWでのレコーディングをしてみてどうでした?

M:実際に自分がリアルタイムで歌っているものと録ったものでなんというか…

K:ギャップがある?

M:そうです。歌ってるときは「今の大丈夫かな?」と思っても
録ったものを聴いてみたら「ああ、良かった!」ってことが結構あって(笑)。

K:あ、ホントに(笑)。
まあ、プレイバックはプラグインとかで音作りしたの流してますしね。
でもMacとこれだけの機材でこのクオリティーは作れちゃうのは
ヴォーカリストとしても発見だと思うのですがどうですか?

M:そうですね。驚きました。
正直練習しているときは「これを録って大丈夫なのかな?」と思いながら練習していたのですが
実際に録ったのを聴いてみたら「おー大丈夫!」みたいな。

K:Makiさんみたいに上手い人って特に難しいことをやらなくてもそのままでも良い音になるんですよね。
なんだけれどもそうじゃない人っていうのは限度があって。
今の時代ってコンピューターの中でピッチもリズムもいくらでも直せます、みたいな風潮あるじゃないですか?

M:はい。

K:でも案外そうでもなくて。
もちろんDAWは機能的には修正は出来ますけど修正すればするほどDAWの音になっていくので
極力修正しない方が実は音質的にも有利なんです。
なので今日録った歌が上手く聴こえたってことはそれだけMakiさんの歌が上手いって証拠だと思いますよ。

M:ホントですか!よかったです。

DAWやレコーディングの技術や知識を身につけることは
ヴォーカリストにとっても大きな強みになる

K:ちなみに今回レコーディングにはBlueというメーカーのコンデンサーマイクを使ったんですけど、
空き時間にちょっとダイナミックマイクの方も使ってみたじゃないですか?

M:はい。

K:比べてみてどうでした?

M:やっぱりコンデンサーマイクの方がワイドに歌を拾ってくれて、
ダイナミックマイクは良い意味でボロが隠せるんですけど、
悪い意味で細かいニュアンスを出し切れない部分があるのかなという気はしましたね。

K:そうそう。
ダイナミックマイクで録ったやつもテイク的には全然悪くなかったんですけど
歌う方としてこんなに違うんだっていう違和感はあったんじゃないですかね?
プレイバックしているときもなんか顔が曇っていたんで(笑)。

M:はい(笑)。ダイナミックマイクはちょっとコモっているみたいな感じがしました。

K:個人的には歌っているそのままのパフォーマンスを伝えてくれるマイクが一番良いと思いますけど
決してダイナミックマイクが劣っているわけではないんですよね。
今回の用途とMakiさんのキャラクターが一致したっていうのがコンデンサーマイクだっただけの話で
場合によってはダイナミックマイクの方がフィットするシチュエーションもなくはないんです。

M:そうなんですか?

K:例えば僕の使える音楽理論の動画はダイナミックマイクで録ってるんです。
なぜかというとコンデンサーマイクだとキーボード弾いたり、
原稿を触ったりすると感度が良い分そのノイズも拾ってしまうからです。
ですのでヴォーカリストもギタリストがギターやアンプを選ぶのと同じような感覚で
そのときのシチュエーションに合わせてマイクや他の機材なんかも選択できるようになるといいと思ってます。

M:そうですね。確かに。

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K:僕が今回ヴォーカリスト向けにDAWやレコーディングを教えようと思ったのも
今の時代ならちょっとした機材だったり知識さえあれば
一気に可能性が広がるってことを知ってもらいたいたかったからなんですね。
どうしてもヴォーカリストって歌と歌詞以外は無頓着な人が多いからそれで損してる人が少なくなくて。
音楽事務所やレコード会社の関係者の人に聞いてみても
本当に酷い音質のデモばかり送られてくるらしいんです。
実際Youtubeやニコニコ動画とかでも
「素人なので音質は悪いです。ご了承ください」
とか
「閲覧注意。嫌なら聴かないでください」
とか何様のつもりなんだよっていう人たくさんいるし(笑)。

M:(笑)。

K:どんなに歌が良くても音が悪ければその魅力を伝えることは出来ないし、
そもそも人に聴かすのならある程度の音質をキープすることは発信者としてのマナーだと思うんです。
みんな社会では最低限の身だしなみは気を使うべきという共通認識はあるのに
なぜか音楽に関しては自由に好き勝手やってもみんな自動的に理解してくれるはず、
みたいな壮大な勘違いがある気がしていて。
「そんなわけねーだろ。早く目を覚まそうよ」というのは本当に声を大にして言いたい。
でもヴォーカリストにとってもある程度の機材があれば
これだけのクオリティのものが作れるのは非常にメリットがあると思うんですよ。

M:そうですね。
このくらいのレベルで自分で録れたり、音作りが出来るようになったら
ヴォーカリストとしてスゴい強みや武器になると思います。

K:Makiさんも今回レコーディングしてみてそれを体感出来たんじゃないですか?

M:はい。私も思わずレッスン受けてみたくなりました(笑)。

K:ありがとうございます!

Bメロで曲の印象が大きく変わる

K:今回のレコーディングでヴォーカリストとして気をつけたポイントや
聴き所なども是非お聞きしたいのですが。

M:う〜ん、もしかしたら歌というよりも作曲の方の話になってしまうかもしれないんですけど
今回久しぶりにカバー曲をじっくり歌ってみてBメロって実は重要なのかなって。

K:あ〜確かに。

M:Bメロからの展開やBメロまでの持って行き方で曲の印象がかなり変わっちゃう気がします。

K:今回のレコーディングでもBメロが上手く録れたらその後がかなりスムーズにいきましたよね。

M:そうですね、はい。

K:Bメロが良すぎてさっきOKだったAメロが繋がり悪くて録り直し、というのもありましたよね。

M:はい、ありましたね。
単体ではよくても前後の関係性によって歌が別物に聴こえてしまうのは個人的にも目から鱗でした。

K:では最後にメッセージだったり、今後の活動などについてお願いします。

M:はい、去年一年はこれまでライブ経験があまりなかったのもあって
とにかくライブに出て経験を積もうって年だったんですけど、
ただライブをするだけでは正直意味がないというか、自己満足なだけのように思いました。
なので今回モニターとしてレコーディングさせていただいたんですけれども、
オリジナル曲もレコーディングしてちゃんと形に残る音源を作って
「自称アーティスト」から脱却するような年にしたいなと思います。

K:なるほど。僕も今後の活動とても楽しみにしています。今日はありがとうございました!

M:ありがとうございました!
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非常にパワー感のあるヴォーカルが持ち味のMakiさん。
基礎もしっかりしているのでレコーディングも順調に進みました。
しかもピッチ修正やタイムストレッチは一切なしです。
歌い手に実力があってある程度の機材があれば
自宅でもこれだけのクオリティのものが出来るんだってことを見事に証明してくれました。
ライブなども定期的に行っているようですので少しでも気になった方は要チェック!
Blog
http://ameblo.jp/maki-esp/
twitter
https://twitter.com/Maki_ESP
鐘を鳴らして/BONNIE PINKを歌ってみた(covered by Maki)

http://www.youtube.com/watch?v=nEt9tL6AU2Y