第9回グループレッスン

グループレッスン

どうも、kohtaroです。

先日、9回目のグループレッスンを行いました。

年2回程度、不定期で開催してきたグループレッスンも今回で9回目ということ中々、歴史を感じるようになってきました。今回もオンラインでの開催でしたが次でなんと10回!ですので10回目こそは対面で出来ればいいのですが。

今回のテーマはMidjourney。

ちなみにMidjourneyとは画像を自動生成するAIのことでイラストレーターや絵師の仕事を奪うんじゃないかとか、アメリカの美術品評会で1位になったとか、毎日のようにネットの話題となったのも記憶に新しいと思います。

知らない人は是非Googleで画像検索してみてください。おそらくそのクオリティに驚愕すると思います。

我々、音楽方面の人間にもAIとクリエイティブの関係は無視ができないものがありますが、逆にグループレッスンのお題に使ってしまうのも、今しかできないことかなと思いました。

おそらく来年以降だと「まだAIとかMidjourneyとか言ってるの?」というフェイズに切り替わってしまってる可能性もありますしね。

ですのでMidjourneyがテーマであれば基本はなんでもOK、またMidjourney以外(mimicなど)の画像生成AIの使用もOKとしました。

例えばMidjourneyが作った絵に対して音楽を作るのもよし、自分が作った音楽のアートワークにMidjourneyを使うのもよし、その他、Midjourneyが現れたことによるインパクトであったり、それに脅かされる人間であったり、
人間とAIの関係や今後などの抽象度が高い領域をテーマにした制作もOKとしました。

うちのグループレッスンは主に方向性は二つあって、一つは音楽理論的なお題があるパターン。こちらは前回のペンタトニックがテーマだった8回目などがそうですね。日々の勉強がどのくらい身についているのか実践を通して確認できます。

もう一つは自由度が高いパターンでまさに今回のお題はまさにそっち寄りのパターン。ですのでメロディやコード進行がないような音楽、例えばノイズミュージックやアンビエントなどの音響的なアプローチも今回はOKとしました。

音楽理論の勉強は当然大事ですがそれだけでは作曲には足りない。

やはりクリエイターたるもの作家性であったり、創造性が一番大事なのはいうまでもありません。それこそ単に理論的に正しいだけの音を書くだけならAIに出来ますしね。ですのでそれらを磨く絶好の機会となりますし、今後もグループレッスンはこの二つを軸をした実践の場でありたいと思っています。

そんなわけで今回は単純な楽曲クオリティだけでなく、Midjourneyという自由度が高いお題を各自がどのようなコンセプトや目線で制作するのか、個人的にも非常に気になるテーマでしたが今回も面白い楽曲が集まりました。

自分の音楽に対してMidjourneyでアートワークを作った人もいれば、なんとオリジナルのPVを作った人もいたり、一方でAIをテーマとした純粋な音楽作品を作った人もいたりと、みんなバラバラなアプローチで各自のクリエイティブが存分に発揮されてたと思います。

その一部の画像を紹介。

同じテーマでもこのように別物のものができるのは人間ならでは。よくAIがクリエイターを駆逐するするなんて物騒な話題が定期的にネットをざわつかせますが、この創造性がある限りまだまだ人間にできることはあるのではないかと個人的には思います。

今回は残念ながらキャンセルが相次いでしまい過去で一番少人数での開催となりましたが、その分、密なやり取りができたと思いますし、全体のレベルも高かったと思います。今回は一人も「う〜ん、頑張ったけど残念賞!」みたいな人がいなかったので、初めて参加の方もいましたが良い刺激となったはずです。

グループレッスン後は恒例のオンライン飲み会。いつもと違って早めにお開きとなりましたが今回もいい交流の機会となりました。先にも書きましたが次は記念すべき10回目。毎回締めで書いてるような気がしますが今度こそ打ち上げ含めて対面でやりたいですね。今回不参加やキャンセルだった方も次は是非。

ちなみに今回本編終了後にここ最近、僕が気になっている曲のアナライズという、打ち上げと兼任したようなプチセミナーをやったのですが、せっかくなので最後にここでも紹介。

ちなみにここ一年リリースされたK-POPの中から数曲をピックアップしたのですが、20年代に入ってからのK-POPは本当にすごい。

韓流なんて呼ばれてた頃から明らかにフェイズが変わりました。

おそらくチャート系のポップミュージックに限定すれば、今一番クオリティが高いしクリエイティブだと思います。

一時期TwitterであるK-POPの曲に対して「音楽理論的にこれはいかがなものか」と物申しているツイートを見かけたことがあるのですが、もう彼らはそういう次元で曲作ってないと思うんですよね。

確かに今回紹介する曲も従来の理論ではNGだったり、説明のつかないところがありますが、音楽はリアルタイムで進化していくもの。理論は常に後発なのが世の常です。なので個人的には理論的な揚げ足取りよりもその進化を楽しむ側でいたいですね。

IVE/ELEVEN

確かこの曲は去年の年末あたりに聴いたように思いますが、かなり衝撃を受けたのを覚えています。トラックやミックスのクオリティはもちろんのこと、楽曲の構造が面白い。例えばこの曲のキーは何?と問われた時、多くの人がAメロとサビがEメジャーにモーダルインターチェンジのコードを使っていて、BメロがEマイナーと解釈すると思いますが、それだとちょっと説明がつかないところが出てきます。それにサビ前でテンポが急激にダウンするのも面白い。ちなみにK-POPは音楽的なリサーチの部分でしか聴いてないので、中のアイドルたちにはほとんど興味がないのですがガウルはマジでかわいいと思う。

IVE/After LIKE

こちらもIVEの曲。グロリア・ゲイナーの恋のサバイバルをサンプリングしたことでも話題の曲ですが、こちらも構造が面白いです。というのもこの曲はキーがCのDm7-G7(Dm7/G)-CMaj7-FMaj7という、枯葉の最初の4小節と同じコード進行の繰り返しが中心で、恋のサバイバルのサンプリングのところでキーがDマイナー(Fメジャーとも取れる)で、Dm-Gm7-C7-FMaj7-B♭-Gm7-A7sus4-A7となるのですが、気づきました?違うキーなんだけどベースラインがレソドファで4小節同じなんですよ。でもその上には違うキーのコードが載るので、ベースラインが4小節同じなのに巧妙にファンクションがすり替えれられているんです。この知能犯っぷりには個人的にやられました。

NewJeans/Attention

今年デビューしたNewJeansの曲も面白いです。平行移動を多用したコード進行がちょっと90年代のクラブミュージックを彷彿として個人的に好きです。そしてなんと言ってもサビ。You got me looking for attentionのところメロディB♭がオクターブで跳躍してるだけですからね。それなのに全然平板に聴こえない。このシンプルさ、潔さはメロディ作りやメロディセンスに悩んでいる人は是非参考にして欲しい。メロディがイマイチ書けない人の原因は色々ありますが多くの場合は無駄に動かしすぎです。あと個人的にはm7(♭5) のコードの使い方で「おお!」と思いました。

윤하(YOUNHA)/사건의 지평선

この曲はグループレッスン後に知った曲なのですがこの機会なのでこちらも紹介。韓国のチャートでJ-POPっぽいってことで話題になったらしく、試しに聴いてみたら本当にJ-POPっぽい。K-POPの躍進が凄まじい昨今ですが、同時に日本のJ-POPがこのような影響を与えてるのもまた面白い現象だなと思いました。