クラシックの作曲、音楽理論(和声、対位法など)、ソルフェージュ、楽典のレッスン

和声や対位法などの音楽理論であったり、クラシックの作曲の書法全般のことをエクリチュールといいます。このクラスではエクリチュールの修練を通して、作曲のための書く技術の習得を目的としています。

講師は現役の東京藝術大学の作曲科の学生でもありますので、藝大での正格な教育に基づいたカリキュラムを基準にしつつ、受講者の可能性を広げられる音楽的なレッスンであることを目指しています。

またソルフェージュ(新曲視唱、聴音など)や楽典などの副科レッスンも併せて受講可能です。

クラシック音楽の作曲や音楽理論を本格的に学びたい方はもちろんのこと、ポピュラー音楽出身でクラシックの作曲や音楽理論を勉強したい、もしくは自身の音楽に取り入れたい方のレッスンは特に得意分野です。

なぜなら講師はポピュラー音楽でのプロ活動を経て、藝大の作曲科へ進学。しかも30代半ばより勉強を始めて藝大に受かったレアパターンですので、ポピュラー音楽の方がクラシック音楽を学ぶ際にどこに苦労して、どのように指導すればいいのか身をもって経験しているからです。

よくクラシック音楽は幼少の頃より始めないとものにならないという通説がありますが、作曲や音楽理論に関してはその限りでないことは私が証明済みですのでレイトスターターの方も歓迎いたします。

またレッスンは毎回録音してお渡ししていますので復習しやすいと好評です。

オンラインレッスンにも対応しています。希望者はポピュラー音楽の作曲、編曲、音楽理論のレッスンも受講可能です。

こちらに講師自作の和声課題やこれまでにやった和声課題の一部の動画を公開しております。
https://kohtaro.com/wp/2023-1125/

音大、音高の受験指導も対応しますが、学部生による東京藝術大学の作曲科の受験指導に関しては大学の方針として禁止されておりますのでお受けできません。ただし、その他の音大の作曲科や他学部に関しては可能ですのでご興味のある方は一度お問い合わせください。


和声

和声のレッスンは通称「芸大和声」もしくは「島岡和声」と呼ばれることの多い「和声 理論と実習」をメインのテキストに使用します。クラシック音楽の和声のロジックを学ぶには現状この本がベストです。

ただしロジックだけでは和声の習得には足りないので、ある程度の段階になったらフランスの和声学の巨匠、アンリ・シャランによる「380の和声課題集」を併用します。

「芸大和声」は和声のロジックを体系的に学ぶには良いものの、音楽的ではないという批判がしばしばあります。

それに対してシャランを始めとしたフランスの課題はとにかく音楽的。課題の域を超えて、一つの作品として完成されているものが多く、特にシャランの「380の和声課題集」はフランス和声のスタンダードと言っても差し支えがないでしょう。

ですのでロジックを「芸大和声」で学びつつ、センスを「シャランを始めとしたフランス和声」で磨く、というのが日本で和声を学ぶ際はベストなルートでかつ、実際に藝大を始めとした作曲科の学生や受験生のほとんどがこのルートを通っています。

さらに学びたい方はシャランの「24の和声課題集」を始め、デュクロ、フォーシェ、ギャロン、シャピュイ、レイノーなどのフランスの課題に進むこともできます。

その他、「新しい和声」「総合和声」などの課題も受講生の方向性に合わせて使用します。


対位法

対位法のレッスンでは山口博史著による「厳格対位法 第2版 パリ音楽院の方式による」をメインに、ノエル=ギャロン、マルセル・ビッチュ(著)、矢代秋雄(翻訳)による「対位法」も使用します。

まずは2声の単純対位法からスタートし、3声、4声と段階的に進み、転回対位法や模倣など高度な技法も習得します。

ポピュラー音楽出身の自分にとって一番新鮮だったのが対位法の勉強でした。そして多くのポピュラー音楽系のミュージシャンに欠けていると個人的に感じるのも対位法の技術と感覚です。

厳格な規則を守りつつ音楽的な実施を行うのはなかなか骨が折れますが、対位法の勉強を通して旋律を動かす力や旋律の横の動きに対する感度が格段に上がります。

美しい対旋律や内声を書く力がつくだけではなく、楽譜の見え方そのものが対位法を学ぶ前と後とでは大きく変わります。作曲家だけでなくクラシック音楽を学ぶ全ての方にとって学ぶメリットがあります。

希望者はバッハ様式によるコラールのレッスンも可能です。


作曲

作曲の勉強において実作品を超えるテキストは存在しません。ですので結局は巨匠達の作品の分析などを通して学んでいく他ないわけですが、何の手がかりもなしに楽譜を見ても上澄をすくうだけで、思ったような手応えを得るのは難しいでしょう。

なぜならクラシック音楽はクラシック音楽ならではのスタイルで書かれており、前提となるような知識や最低限のエクリチュールの技術がないと楽譜に書かれた真意を汲み取ることはできないからです。

余談ですが藝大、音大の作曲科の入試では単に良い曲を書くだけでなくクラシック音楽特有のスタイルをわかっているかどうかも大きな評価ポイントとなります。

ではどのようなスタイルがあるのか?それをわかりやすく解説している本が石桁真礼生(著)による「楽式論」です。二部形式、三部形式、ロンド形式、変奏曲形式、ソナタ形式などなどクラシックならではの楽式について平易な日本語で丁寧に解説しているので分析の際の大きな手がかりとなります。

そして分析を通して使われている技術を今度は自身の作品に反映する。時間はかかりますがそれらを繰り返すことにより、作曲の技術が磨かれていきます。

また同時にクラシック音楽ならではの編成や楽器法に関しての研究も行います。

ソルフェージュ

ソルフェージュはかなり広義にわたる分野ですのでなかなか一言で言い表すのが難しいですが、音楽家としての基礎能力を開発するためのトレーニングと思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。アスリートが走り込みや筋トレなどで培った基礎体力を自分の競技に還元するように、音楽家の場合は自身の作曲や演奏に繋げるためにソルフェージュの勉強を行います。

しかし日本では良くも悪くも入試や試験を突破することだけを目的としたソルフェージュのためのソルフェージュに終始しがちなのが現状です。これではあまりにももったいない。

実際の音楽に繋がるようルーティン的に新曲視唱や聴音をこなすだけではなく、リズムトレーニングや読譜、初見での視奏や伴奏、音楽理論、実作品の分析など受講者の音楽性に繋げるため全方位からアプローチをします。

またソルフェージュは習得に時間のかかる分野です。ですので途中で投げ出さずゆっくりでも継続していくことが一番のコツとなりますので、受講者のレベルや方向性を見極めた上での適切な課題の設定や練習の仕方の指導をレッスンの際は心がけております。

必要なテキストや教材等は適宜レッスンの中で指定します。

楽典

楽典とはクラシック音楽をやるのであれば知っておきたい楽譜の決まりごとです。それと同時に作曲や音楽理論を勉強する人間にとってはその導入や橋渡しの役割も果たします。

楽典の本はたくさん出版されていますが、小谷野謙一(著)による「よく分かる楽典の教科書」と最近の藝大の先生方の共著による「楽典 音楽の基礎から和声へ」の2冊があればしばらく困ることはないでしょう。どちらの本もわかりやすく、また本質的です。

同時に音大の過去問、市販の問題集、実作品の分析、時にはソルフェージュと絡めながら知識を血肉化していきます。

どうしてもただの暗記科目に終始しがちな分野ではありますが、ソルフェージュと同じく実際の作曲や演奏に繋げることを重視してレッスンを行なっていきます。


料金やアクセスなどはこちらのページをご覧ください。